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タクティクスオウガ Passing Moment 【ギター演奏・コード分析20】

難易度☆☆★★★(普通)

エンディング・スタッフロールで流れる曲【曲紹介】

1995年 スーパーファミコン
作曲:崎元 仁

タクティクスオウガ エンディング
(C)株式会社クエスト

タクティクスオウガはスーパーファミコン末期1995年10月に発売されたシミュレーションRPGで、ゲーム自体も稀に見る完成度の名作です。

開発のクエストという会社はボーステックが再編されてできた会社です。

音楽は崎元仁さんと岩田匡治さんが担当しています。
この二人は同人活動時代からの盟友であり(後述)、『伝説のオウガバトル』(1993年)からはじまるオウガ・シリーズの音楽は全てこの二人のコンビによるよるものです。

『Passing Moment』はエンディングの最後スタッフロール時に流れるもので、壮大なストーリーを締めくくるのに相応しい名曲です。

タクティクスオウガはシナリオも非常によく出来ていて、その場面場面で印象的な音楽が流れます。

RPGの音楽の場合そうした演出込みで曲が印象付けられる『思い出補正効果』が特に大きいんですが、それを抜きにしても、素晴らしい音楽です。

全体的にオーケストラや吹奏楽中心のクラシカルな楽器編成ですが、曲内容はモダンなコード進行かつメロディが強いものが多く、自分はかなり好みのサウンドです。
スーパーファミコン音源とも良くマッチしています。

この曲の他にも、オープニングタイトル『Overture』、バッドエンディングの『Reminiscence』、『ブラックナイトのテーマ』、『A Cygnet』あたりが特に印象に残っています。

崎元 仁さん【作曲者】

現ベイシスケイプ社長で、ゲーム音楽家の中でも高い技量と音楽性で知らている有名作家さんですね。

デビュー作は1988年に発表されたPC-8801mkⅡSR用の同人ゲーム『REVOLTER』で、その時にオウガシリーズの共作者・岩田匡治さんと知り合います。

岩田さんは当時ボーステックのアルバイトとしてゲーム制作に関わっていました。

崎元さんは『REVOLTER』をキッカケに業界入り、以降はフリーランスの作曲家として、主にメガドライブ・スーパーファミコンといったコンシューマー機向けタイトルを中心に手掛けていきます。

またサウンドエンジニア・アレンジャーとしても仕事をしていて、有名どころでは、『旧約女神転生』(アトラス)『ドラゴンクエスト6』(エニックス)にも関わっています。

1997年にはオウガの開発チームがスクウェアに移籍した関係から、岩田さんとともに『ファイナルファンタジー・タクティクス』に曲を書いています。
これはFFの名前が付いてますが実質オウガシリーズですよね。

崎元さんはオウガやFFTのイメージからクラシック・オーケストラ系の作曲家と思われがちですが、初期はテクノ寄りの曲を多数書いており、非常に幅広いバックボーンを感じます。

2004年の『グラディウスⅤ』では崎元さんのテクノ・トランス作家の面があらわれています。

他に『ファイナルファンタジーⅫ』のコンポーザーに起用されていたり、『戦場のヴァルキュリア』シリーズなども有名です。

テンポを少しづつ上げながら演奏【ソロギター演奏】

原曲はもう少し長いんですが、弾いていてBメロの繰り返しが多すぎるように感じたので(コーダ入れて6回登場)、ちょっと繰り返しを減らしてます。

この曲、同じモチーフを繰り返しながらだんだんテンポが上がっていくんですが、それを再現するためにリズムトラックは無しでやりました。

でも、後で聴いてみると単にリズムがはしってるように聴こえたり、完全ソロギターでのこういう微妙なリズムコントロールは本当にむずいですね~。

似たようなリズムコントロールの曲で、モンハンP2ポッケ村の時はわりといい感じで弾けたんですが、これは難しかったです。

Tactics Ogre “明るい週末” コード進行

イントロ(Aメロバリエーション)
Gadd9  A(onG) F♯m7  Bm7
A♭m7♭5 G69  F♯m7 B7sus4/B7
E7sus4/Em7 B♭M7/Gm7 A7sus4  A7

Bメロ
F B♭M7 Am7(onC)/A7(onC♯) Dm9
B♭M7 E♭7 E7sus4/E7 Asus4/A

Aメロ(途中のコード進行イントロと微妙に違う)
Gadd9 A(onG) F♯m7 Bm7
GM7 A(onG) F♯m7 B7sus4/B7
Em7 B♭M7/Gm7 A7sus4 A7

Bメロオクターブ上

Bメロ(演奏では省略)

ブリッジ
Dm Am7/A7 Dm Am7
A♭  B♭ E♭7sus4 E♭7 Dsus4/D

Aメロバリエーション(オクターブ上、コード進行イントロと同じ)
G A F♯m7 Bm7
A♭m7♭5 G6 F♯m7 B7sus4/B7
Em7 B♭M7/Gm7 A7sus4 A7

Bメロ(演奏では省略)

コーダ 
F B♭M7 Am7/A7(onC♯) Dm9
B♭(rit..) E♭7 D♭M7 G♭M7/A♭M9
B♭/B/D♭/A♭ B♭/B/D♭/A♭ B♭/B/D♭/D♭ D♭/B/A♭/B
B♭/B/D♭/A♭ B♭/B/D♭/A♭ B♭/B/D♭/D♭ D♭/B/A♭/B(rit…)
B♭add9

コードアナライズ

イントロ=Aメロバリエーション
■key=Dメジャー
Ⅳ Ⅴ Ⅲm7 Ⅵm7
♯Ⅵm7♭5(SD代理) Ⅳ Ⅲm7 Ⅵ7
Ⅱm7 ♭ⅥM7/Ⅳm7 Ⅴ7 Ⅴ7

Bメロ
■key=Fメジャー(短3度上に転調)
Ⅰ ⅣM7 Ⅲm7/Ⅲ7 Ⅵm7
ⅣM7 ♭Ⅶ7(Dメジャーの♭Ⅱ7と共用 E7へ半音進行) ■key=Dメジャー(短3度下に転調) Ⅱ7 Ⅴ7

Aメロ
■key=Dメジャー
Ⅳ Ⅴ Ⅲm7 Ⅵm7
ⅣM7 Ⅴ Ⅲm7 Ⅵ7
Ⅱm7 ♭ⅥM7/Ⅳm7 Ⅴ7 Ⅴ7

Bメロ
■key=Fメジャー(短3度上に転調)

Bメロ(演奏では省略)
■key=Fメジャー→最後Dメジャー(短3度下に転調)

ブリッジ
■key=Dマイナー(同主調)
Ⅰ Ⅴm/Ⅴ7 Ⅰ Ⅴm
■key=E♭メジャー(同主調の半音上)
Ⅳ(/Ⅵm7) Ⅴ ■A♭メジャー(下属調)Ⅴ7(E♭メジャーのⅠ7,Gメジャーの♭Ⅵ7と共用) ■Gメジャー(半音下に転調) Ⅴ7

Aメロ(オクターブ上)
■key=Dメジャー(属調)→Fメジャー(短3度上に転調)

Bメロ(演奏では省略)
■key=Fメジャー

コーダ
Ⅰ ⅣM7 Ⅲm7/Ⅲ7 Ⅵm7
ⅣM7 ♭Ⅶ7(ここまでBメロと同じ) ■key=B♭メジャー(下属調 B♭マイナー系のコードしか出てこないが前後の流れからメジャー解釈)♭ⅢM7 ♭ⅥM7/♭ⅦM7(SDM代理)

■B♭スパニッシュ系モードのハーモナイズ
Ⅰ/♭Ⅱ/♭Ⅲ/♭Ⅶ Ⅰ/♭Ⅱ/♭Ⅲ/♭Ⅶ Ⅰ/♭Ⅱ/♭Ⅲ/Ⅱ ♭Ⅲ/Ⅱ/♭Ⅱ/♭Ⅶ/♭Ⅱ
Ⅰ/♭Ⅱ/♭Ⅲ/♭Ⅶ Ⅰ/♭Ⅱ/♭Ⅲ/♭Ⅶ Ⅰ/♭Ⅱ/♭Ⅲ/Ⅱ ♭Ⅲ/Ⅱ/♭Ⅱ/♭Ⅶ/♭Ⅱ
Ⅰadd9(メジャー終止)

DメジャーとFメジャーで交互に転調【コード進行のポイント】

複雑な構成に見えますが、基本DメジャーのAメロとFメジャーのBメロが交互に出てきて、その間に展開部のブリッジが挟まるという構成です。

原曲 A→B→A→B→B→ブリッジ→A→B→B→コーダ

演奏 A→B→A→B→ブリッジ→A→B→コーダ
となっています。

DメジャーとFメジャーは短3度転調です。短3度転調は同主調転調と表裏の関係にあり、基本的な転調の一つです。

ブリッジではDメジャー→Dマイナーの同主調転調から、ちょっと込み入った転調を挟んで、またDメジャーに戻しています。

素直にDメジャー一発で行かないところが崎元さんの作曲の特徴ですね。
このパートがあるおかげで曲としてのまとまり・完成度が数段上がってます。

コーダ後半はコード進行というより、B♭のスパニッシュ調(フィリジアン)のモチーフを、らトライアッドコードの平行移動でハーモナイズしている、という感じです。
ギターだとこういうのわりと簡単ですが、鍵盤だと難しそう。

そして最後はB♭メジャーキーで終わるという捻りをきかせています。

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