今回作品より曲紹介記事を先行配信しています。このブログはリンクフリーです。(2019年6月15日更新)
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ゲーム音楽史07 変革の年1985年

今回はゲーム音楽史最初の山場1985年の出来事をお話します。

まずは夏頃までの出来事を
PC、アーケード、コンシューマーの動向を各項目に分けてみていきます。

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8ビットPC~PC-8801mkIISRの登場

まず動きがあったのが、国産PCでした。
1月にNECからPC-8801mkIISRが発売されました。
pc88sr_1

これはPC-8801,PC-8801mkIIのグラフィックとサウンドを大幅に強化したもので、
特にサウンドはヤマハのYM2203というFM音源チップを搭載していました。

ホームコンピューターでFM音源標準搭載は(自分が知る限り)世界初で、
日本が部分的にですがアメリカを超えた出来事でした。
まあFM音源は開発元が日本企業ですし、NECというよりヤマハが凄いのかな。

4月にはPC-8801mkIISRのキラーソフト『テグザー』(ゲームアーツ)が発売され人気に火が付きます。
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(c)GAMEARTS

テグザーが売れ、その音楽が評価されると
PCゲームメーカー各社はゲーム音楽のニーズを認識しはじめ、
こぞってFM音源の音楽を使用した『SR専用ソフト』を出してくるようになりました。

88SR初期のゲームミュージックの良作としては
メルヘンヴェール』(システムサコム)、『ザナドゥ』(日本ファルコム)などがあります。

FM音源について

ここで、この年の台風の目であるFM音源について少し解説します。

FM音源とは、ヤマハが開発した音色が自分でエディットできる音源チップです。
1983年発売のシンセサイザー『DX7』に搭載され一世を風靡しました。
YAMAHA_DX7

金属系のきらびやかな音がとくに得意で、
未だにこういう音色ではFM音源が使われたりします。
一方で低音系のベースなどはPCM音源などと比べるとやや音が細い印象ですが、
PSGからは全く別次元の進化でした。

このFM音源が1985年の1年間で大きくゲーム音楽を変えることになります。

MSX2の登場

6月よりMSX2規格のPCが発売されはじめています。
価格と性能でファミコンに押されていた廉価PCのMSXですが
グラフィックを大幅に強化したMSX2規格が策定されます。

これによってグラフィックはファミコンを超える性能になりますが
サウンドは残念ながらPSG3音のままでした。

当初はMSX2はMSXに比べて高価だったので、
1986年11月に松下電器から『FS-A1』が発売されるまでは普及しませんでした。

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アーケードゲーム業界の動向

次にアーケードゲームを見ていきます

コナミ バブルシステム

  • 3月に『ツインビー』で波形メモリ音源搭載の『バブルシステム』を投入してきました。
    5月には第二弾『グラディウス』が出ています。


    (c)Konami

今考えると、このタイミングならFM音源でやったほうが良かったんではないか?
と思いますが、いろいろ社内事情もあったのでしょう。

波形メモリ音源とは言え、『ツインビー』『グラディウス』の楽曲・音質は
それまでのコナミ作品から数段グレードアップしていて、
『ナムコ一強』の牙城を崩す先鋒となるには十分な威力でした。

カプコンが『戦場の狼』でFM音源投入

5月になると、『1942』や『エグゼドエグゼス』など
名作シューティングをヒットさせて力をつけてきたカプコンが
アーケードゲームにFM音源を投入してきます。

戦場の狼』です。

(c)CAPCOM

カプコンはアーゲードゲーム他社より半年ほど先行してのFM音源投入となりました。

セガも『ハングオン』でFM音源採用

7月にはカプコンに続き、セガがFM音源を搭載した大型筐体の
ハングオン』を出してきます。
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(c)SEGA

夏ごろまでの音楽が印象に残っているタイトル

この時期、上に挙げた以外のタイトルで音楽が印象に残っているのは

メトロクロス』(ナムコ)~大野木さんの作ですが、ジャンゴ・ラインハルトなどのジプシースイングを彷彿とさせます。

(c)Namco

フェアリーランドストーリー』(タイトー)~『バブルボブル』につなっがっていくタイトーのファンシー路線ですね。
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(c)TAITO

あたりですね。いずれも非FM音源です。

1985年デビューの作曲家

この年、アーケードゲーム業界では作曲家として
東野美紀さん(コナミ)と川口博史さん(セガ)がデビューしています。

東野美紀さんは音大在学中にアルバイトとしてコナミに曲を提供しはじめて
『イーアルカンフー』でデビュー
『グラディウス』シリーズ、『沙羅曼蛇』、『幻想水滸伝』シリーズなどを手がけています。

川口博史さん、通称Hiro師匠
『ハングオン』でデビュー
『スペースハリアー』『ファンタジーゾーン』『アウトラン』『アフターバーナー』など
アーケード黄金期のセガ作品の多くを手がけています。

この二人については曲を取り上げる機会もあると思うので、
その時また詳しく触れたいと思います。

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家庭用ゲーム機業界の動向

ファミコンが発売され2年が経過していますが、
この年の9月にスーパーマリオブラザーズ(任天堂)が発売されました。
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(c)Nintendo

これが空前のヒット、ロングセラーとなり、
ファミコンのハードもこれで一気に普及することになります。
近藤浩治さんの音楽も素晴らしいもので、
そのメロディは一般層にまで幅広く浸透していきます。

これ以降、ファミコンは爆発的に販売台数をのばし
アーケードやPCでゲームを作っていたメーカーもファミコンに続々参入し
資金も人材も充実していきます。

それに伴って、ファミコン独自のゲーム音楽も発展していくこととなります。

セガ・マークIII

10月にはSG-1000でファミコンに敗れたセガがファミコンへの対抗として
セガ・マークIII』を発売しています。
Sega_Mark_III
機能的にはファミコンより優れた部分もありますが
ゲーム音楽的にはそれほどのインパクトはなかったように思います。
セガマークIIIは後にオプションでFM音源が使用できるようになります。

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’85秋 FM音源革命とナムコ一強時代の終焉

10月ごろになるとアーケードゲームメーカーは
各社一斉にFM音源を投入してきました。

影の伝説』(タイトー)『テラクレスタ』(日本物産)などは
初期基板はPSG音源で、かなり急いで導入したことがうかがわれます。

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(c)TAITO
(c)日本物産

FM音源化と前後して各社とも音楽専任スタッフは常識となってきていて
この段階でナムコの優位性は完全に失われました。

ナムコ一強時代の終焉です。

11月にはトドメとばかりにセガが『スペースハリアー』を投入してきています。
この時期、アーケードゲームではセガは勢いありましたねー。

(c)SEGA

ナムコとコナミは波形メモリ音源に注力したためか
FM音源化の波に取り残されてしまします。
この二大メーカーがFM音源化するのは1986年の春以降になります。

10月 FM-77AV発売

PCの業界では10月、NECに続き富士通が『FM-77AV』でFM音源を標準搭載してきます。
FM-77AVはPC-8801mkIISRの対抗として出されたもので
グラフィック機能は4096色同時発色という当時の8bit機としては破格の高性能でした。

旧御三家の残り1社、SHARPは当時はX1turboシリーズを展開していましたが
FM音源が標準搭載になったのは1986年のX1turboZからと、遅れをとっています。

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1985年、自分BGMの動向w


この章は自分の体験談です。

この前年にMSXとファミコンで家ゲー生活をスタートしたBGMですが、
1985年に入ってMSXをFM-NEW7に買い替えしました。
理由はゲーム音楽史04で述べたとおりです。

しかし、FM-NEW7はフロッピーディスクが付いていなかったので、
ゲームするたびにカセットテープ(!!)から10分~20分の読み込みをしなければいけませんでした。

ピーーーーーガガガ。。。っていうやつです。

FM音源とフロッピーディスクが付いているPC-8801mkIISRが欲しくてしかたなかったんですが
なかなか買える値段ではなかったので、中古の値段が下がるのを待っていました。

そしたらなんと、11月にPC-8801mkIIFRが発売され、SRより10万近く値下げされました。
それをみたらもう辛抱たまらず、弟と二人で両親を説得し、
お金を出し合ってついに夢のPCを購入したのです。
冬休みにはいるちょっと前だったかな。
もう大興奮で、ずっとPCに張り付いて遊んでましたね。

この頃はゲーセン通いもかなり活発になってました
ドラゴンバスター』『グラディウス』『テラクレスタ』『スペースハリアー
あたりはやりまくりましたね。

ゲーム音楽を音楽として認識してハマり始めたのもこのあたりからです。
スペースハリアーの音楽はとくにお気に入りでした。

次回からはゲーム音楽の第一次黄金期についてお話していきたいと思います。

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関連リンク

ゲーム音楽史 前回 ゲーム音楽史06 大変革前夜~1983年から1984年ごろの状況

ゲーム音楽史 次回 ゲーム音楽史08 第一次黄金期 前編

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